お母様方がお子様の虫歯予防に対して初めて意識されるのが、生後6~7か月に下の前歯が萌出してくるころでしょうか?

いや、たぶん乳歯が20本生えそろって、幼稚園、保育園に通いだし、お子様のお友達のお母さんに「子供に虫歯ができて歯医者に行った」などの話を聞いてから意識される方が多数なのではないでしょうか。早い方でも1歳6か月検診のころからでしょうか。

子供とイチゴ狩り

生まれたばかりの赤ちゃんの口の中

生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には虫歯菌はいません。虫歯菌(ミュータンス菌)は歯の無い人には存在しないのです(総入歯の方のお口の中にも存在しません)。生後6か月ころ、下の前歯が萌出してからはじめて、ミュータンス菌は確認されるのです。

その虫歯菌はどこからやって来るのでしょうか?

それはたった1つ、唾液によって人から人へと感染するのです。なかでも、いちばん多いのが、赤ちゃんをお世話している人、そう、お母さんからの感染なのです。

3歳までが勝負です

一生虫歯で苦労する人は3歳までに虫歯菌が感染して、そしてお口の中に定着してしまった人です。

虫歯菌は感染しても、だいたい3歳くらいまでに糖分を多くとらない環境になければ口の中に定着はしません。ということは、虫歯菌を感染させず、定着させなければそれが一番の虫歯予防になるのです。

妊娠中からこれから生まれて来る我が子の虫歯予防が始まるのです。

何より大切なのは、赤ちゃんが生まれる前からのお母さんの心がけです。たとえ、お母さんのお口の中に虫歯菌がいても、しっかりお手入れをして正しい食生活を守っていれば、赤ちゃんに虫歯菌がうつる可能性を減らすことができます。

心がけとして、妊娠中から悪いところをしっかり治し、常にお口の中を清潔な状態に保ちましょう。

余談ですが、出産を機に急に虫歯がたくさんできてしまうお母さんがいらっしゃいます。昔は赤ちゃんにカルシウムをとられて虫歯になったと言われてました。虫歯がたくさんできてしまったお母さんに共通するのは、皆さんつわりがひどかった方です。胃酸によって歯が脱灰し、虫歯になってしまったのです。

予防法としては、胃酸が逆流してしまった場合、なるべく唾液の力によってお口の中を中和してあげることです。

お水でお口をすすぐだけでは意味がありません。

可能であれば、

歯ブラシをする、キシリトールガムを咬むなど、なるべく唾液をたくさんお口の中に出してください。そして胃酸で脱灰してしまった歯を唾液で再石灰化させてあげて下さい。

私は男なので女性のつわりのつらさは正直わかりません。しかし、歯科医師として助言はできると思います。つわりの結果できてしまった虫歯には虫歯菌がたくさん住みつきます。そこから大切なあなたの赤ちゃんへ虫歯菌が感染してしますのです。妊娠中でもかまいません。将来生まれてくるあなたのお子様のむし歯予防を私たちといっしょに取り組みましょう。

あなたのお子様が成人になり、自分の健全な歯列と咬み合わせと透き通るような真珠のような白い歯を他人から褒められた時、かならず言葉では言い表せないほどの感謝をあなたに対して感じるはずです。